冬のある日、二十歳前後の男が山手線で。

開閉ドアの窓に「はぁーっ」と息を吹きかけ、

そこに唇を押しつけキスマークをつけていた。

停車中で窓の外に女性がいたとしても、

ぶっとばしものだが、実際は走行中でした。

ひょっとして彼は見てはいけないものを見ていた？

これは私がまだ学生の頃。

某大学に通う私は地元のローカル線にて家路につくところでした。

始発駅なので座って待っていると目の前にサラリーマン風の

４０～５０歳のおやGががらがらの車両の対面に座りました。

そうこう言っているうちに電車がスタートし、

何気なくそのおやGを見ると鞄からなにやら瓶と新聞を取り出しました。

瓶には「強力わ●もと」の文字が。ああ。薬を飲むのかな？と思っていたら

自分の膝の上に軽く新聞紙を広げ、瓶をおもむろに開けると

ふたへ中身を出し始めました。なんか黒い物がぼろぼろと。

よく見るとそれは黒ごまでした。それも蓋へてんこ盛り。

それを勢いよく口に投げ込み

「ぼーりぼーり」と音を立てながら食べ始めたではないですか！

私ならばのどに引っかけ吹き出すこと請け合いです。

そのくらいの勢いだったのです。しかも３回も。

そして水分を取ることなくごまを食べ終わったGは何事もなかったかのようにごまが程良く降りかかった新聞を畳み本を取りだし読み始めました・・・・・・・

なぜかこの人にその後も何度か遭遇したことは言うまでもありません