○Fan-ファイル〜その1〜 「パパとババァ」
●業種:フード系 ●職種:ラーメン屋  ●給与:時給950円 ●その他:まかない有り
●勤務時間:18:00〜23:30
 

 学生時代に最初にバイトしたラーメン屋さん。夜遅くまでやっていて、駅前ということもあってか一杯飲んでからやってくるおやG達に大人気という状態だったわけです。

 社長はパチンコ大好きで、夕方ふらっと「出かけてくる」と言っては1時間〜2時間で「この世の終わり」みたいな顔をして戻ってくるわけ。店の誰かが「いくら使ったんですか?」と聞くと「6万」とか平気で返ってくるしね。そんな事が日常茶飯事・・・。

 儲かってるんだなぁと思った記憶あり。だってさ、殆ど毎日パチンコに行って8割くらい負けて返ってくるわけで、しかも大体1回に5万前後は負けてくるってことは・・・。

 さて、そんな某駅前のラーメン屋さんにやってくるのは普通のお客ばかりとは限りませんで、色々な人がやって来るわけです。

 その日は結構客が多く、10時を過ぎてもいっこうに客が減らない状態。なんでこんなに人が来るかなぁ〜とか愚痴を言いながら自分の持ち場である2階でせこせこ働いていたのでございました。

 この4人がけのテーブルx4と6人がけのテーブルx2程度のそんなに広いスペースじゃなかったので、担当は俺1人って感じなのでございました。

 そこへ無茶苦茶ケバイおばさんとサラリーマン風のおやGが来店。2階に来たわけですが・・・。

おばちゃんすでに激酔っぱらい状態。なんか足下フラフラしてるしね。階段あがりながらも「パパァ〜私酔っちゃったみたいぃぃ〜」とかそんなの一目みりゃ誰でも判るような事を大声で叫びつつ着席。

 「ねぇ、パパぁ〜何食べる?ねぇねぇ?」と甘えまくり。パパと呼ばれたサラリーマン風のおやGはかなり迷惑顔なんだけど、とりあえず「俺はラーメンかな」とラーメンに即決らしい。するとおばさん「私もぉ〜私もパパと一緒のにするぅ〜」と大絶叫!

「お兄さぁ〜ん、ラーメン2つぅぅぅ〜」とりあえず馬鹿デカイ声で注文。1メートルも距離ねーだろ!って感じしつつも伝票にラーメン2と書いて下の階へ変な小さいエレベーターみたいなやつに乗せて送って注文完了♪

 その5秒後くらいに「ブッブー」と下から何かが送られてくるブザーがなり、他の客のラーメンが到着。奥のテーブルにいるおやG2人組が前に注文したラーメンができあがって2階に運ばれて来たわけっす。

 それをみておばさん「きゃーパパーラーメン来たわよ、ラーメン!」とか叫びだしやがった!

 俺的に「5秒でラーメン出来るかボケ!」とか思ったんだけど、とりあえずそんなことは口に出さずに奥のテーブルへそのラーメンを運んで行ったんだけど・・・。

 「あれぇ〜パパぁ〜私のラーメンが、私のラーメンがぁー」とババァ大絶叫!だだっ子もビックリな雄叫び!

 この辺りでサラリーマン風のおやGもこのババァの暴走ぶりをもてあましてるらしく「まぁまぁあれは他のお客さんのだからね。もう少ししたら来るから」とまるで自分の子供をあやすかのごとくババァをなだめはじめておりました。

 するとババァ「お兄さぁ〜ん。私とパパのラーメンはやくぅぅぅ〜」とちっとも可愛く無いというか、むしろ殴ってやろうかとか思う様な笑顔で言ってくれました。

 そしてしばらくしてババァとパパのラーメンも到着。黙々と喰ってるかと思ったら、突然ババァがスゲーこと言い出した。

 「パパは私と奥さんどっちが大切なの?」

 おい!ババァ。それってラーメン屋でしかもかなりデカイ声で話す内容か?

 少しほろ酔い気味だったおやG一気にしらふに戻った様子。

 ババァはそのまま暴走モード(さっきから暴走してるけど)突入!

 「ねぇ、私より奥さんの方が大事なんれしょ!」  

 「この後奥さんの所に帰っちゃうのよね。」

 「私はどうでもいいのよね!」

などと、マシンガン愚痴状態。っていうか、声でかいよ。

周りの客は引きまくり・・・。いつもはにぎやかな店内がシーンと静まり返っておりました。

ひとしきり愚痴ったかと思えば今度は

「パパぁ〜このラーメン凄くおいちぃ〜

と、甘え攻撃!お前は優香か!?

パパと呼ばれていたサラリーマンの人は途中から「そうだね」とか「ははは」とか「うん」なんていう台詞しか言わなくなってしまっておりました。

さて、無事にラーメンを食べ終わった二人は階段を降りて帰っていくのですが・・・。

途中「ガタガタッ!」ババァこけるっ!

「パパぁ〜転んじゃったぁ〜帰れないぃぃ」というとっても怖い台詞が最後に聞こえてきました。

パパさんに合掌。

T-CRISIS!